環境への取り組み


新聞印刷×環境

『紙に印刷すること』は時代に逆行していますか? 確かに、情報を届ける手段は時とともにカタチを変え、デジタル化によって大きく進化し、紙という手段はもはや時代遅れなのかもしれません。しかし、紙媒体には「自分に合ったコンテンツ」に最適化されていない多種多様な情報が目に飛び込む一覧性があります。特に新聞は、その大きさと更紙の質感や匂いも併せ持った「四感」への訴求が高いメディアだと考えます。ニッチな市場ですが、これからも新聞印刷の魅力を一人でも多くの方に知っていただきたいと思っています。

150年以上もの歴史

業界として長年エコシステムに取り組んできました。新聞というカタチがあるだけで資源の無駄のように扱われることが多いですが、買い替えや機種変更が頻繁に繰り返されるデジタルデバイスには未だリサイクルシステムが確立されているようには思えません。廃棄されている数を世界規模で考えると果たしてどちらがエコでしょうか? 毎日印刷する新聞。私たち京都新聞印刷の環境への取り組みをご紹介いたします。

【新聞印刷するための資材】

印刷用の画像を描写する版材はケミカルフリーな版材を使用し現像液(産業廃棄物)をゼロにしています。インキは「エコマーク」認定基準のインキを使用しています。インキに30%以上含まれる植物油は、新聞をリサイクルする際にインキ部分がほぼ微生物によって水や二酸化炭素などの無機物に分解される「生分解性」を持っているため環境に優しいインキとなっています。また濃度の高いインキを従来インキと同じ濃さで印刷することで使用量を抑制し、環境負荷を軽減しています。新聞用紙では古紙再生時のエネルギー量削減の観点から、現在では約70%の古紙が配合されています。また紙の原料となるセルロース(繊維)は天然由来の物質で、土壌や海洋に流出したとしても分解されるため環境や生物に対して影響の少ない素材となっています。

【印刷工程】

印刷速度の抑制や工場における節電により、消費電力量によるCO2の排出量を前年比6~7%減(2023年実績)を実現しております。また新聞印刷は「ノン・ヒート・オフセット」と呼ばれるように、一般的なオフセット輪転機に常設の「ドライヤー(乾燥機)」はなく、酸化重合による速乾乾燥で印刷しているため紙にも環境にも優しい印刷となっています。

【リサイクル】

印刷時の損紙を原料として安定的に製紙会社に戻す「クローズド・ループ・リサイクル」に取り組み、資源を循環させるよう努めています。また最近ではアップサイクルにも取り組んでいます。新聞紙は吸放湿性や遮光性に優れており、古くから農作物やお酒などの保存用包装紙として使われてきました。私たちは、古紙をこうした包装紙としての再活用を一部の企業と提携して行っています。また、昨今では木を原料とする新聞紙から断熱材といった環境循環型の建築用資材が生産されており、私たちもその過程において寄与しています

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